****秘密のお姫様****
「転ばないもん」


「コイツ俺のだから、皆さんくれぐれも手を出さないようにお願いしますね‼」


敬語だけど、どこか冷たい爽の声が倉庫内に響いた。


「爽くん…………私っ、恥ずかしい」


照れる咲もーー


二人を見つめる仲間からもーー



「大丈夫、怖くない。

咲ちゃん、俺は一生"君を守るよ"ーー」


そんな爽の言葉に赤くなる咲も…………



見たくない。


爽の顔が近づいて、咲の唇に触れたのはほんのわずか。


「ンッ、爽くッンッ」


不意に離れた唇は、咲の首に触れていた。

吸い付くように、だけど優しく見る目は熱を持っていた。


それは、爽の男の顔だった。


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