****秘密のお姫様****
それから10分後。赤い顔をした、えみちゃんとクールな顔した冬がリビングに来た。


分かりやすいったら、ありゃしない。
言わないけどーー。

それから、みんなでハンバーグを作り食べた。

俺のハンバーグだけ、子犬の形にした冬を睨みながら、悪魔を思い浮かべて作った冬ハンバーグ。


「なんで、悪魔だよ。
失礼だな。お前なんか、子犬だ子犬」


「うるせー悪魔‼」


そんな俺らを見てるえみちゃん。


「仲いいんですね?」


「「どこが⁉」」


思わず出した声に、少し怯えたえみちゃん。

やばい。

つい、荒く………。


「大丈夫です。
咲のお兄ちゃんだからっ。
けど、本当のお兄ちゃんじゃないんですね。
咲がずっと好きで、苦しくなかったですか?」


苦しくない訳ない。

今も混乱してる。


二人がベットインしてる姿を思い出し痛む胸。


それは、どうしょうもない。

消えてはくれない。


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