****秘密のお姫様****

**眠れない夜、消えた温もり**

目を瞑っても、眠れない。

ウサギのぬいぐるみを抱えて、ベットに入るけどやっぱり眠れない。


何度も寝ようとしたのに、寝れない。

時計の針は、22時を過ぎていた。

スマホを操作して、爽くんにかけた電話。

トゥルトゥル、トゥルトゥル。

2コールで音が途切れ慌てた声が、聞こえてきた。

「"咲!?

なんかあったのか!?"」

クスリ、と笑ってしまった。

「"違うの。

なんか寝れなくて……。"」



隣に誰か居ないと寝れないなんて、子供みたい。

お兄ちゃんに限らず、私は、一人で寝れないのかも。


お兄ちゃんが、居ないとイケナイなんて私の気のせいと、自己完結した。

「"会いたくなる。
声、聞いてると会いたくなるーー
飛んで行きたくなる"」


爽くんが、会いたいなんて言うからーー。


「"私も、会いたい"」

気付いたらそう言っていた。




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