****秘密のお姫様****
「へー、俺が見た感じの再現していい?まず、腕押さえられてて……キスされたよな?」

腕を抑え、強引に落とすキス。

息をする間もなく、与えるキスは千がしたモノと一緒だ。


「やっ、ダメっ!!」


唇の隙間から、盛れる甘い声。
それを千に聞かれたと思うと、理性が爆発寸前だった。


「そして、キスマーク。

いつ、されたか見えなかったけどーー
塗り替えてやる………」


いつ、されたか分からないキスマークに上乗せする様に付けたキスマーク。


「ンッ、痛いっ!!」


「あ、わりい」


ちょっと強く付けすぎたらしいキスマークは、濃く刻まれていた。


「痛かった?ごめん。
ヤキモチ妬いてた。
俺のなのに、って……悪い」


突然、訪れた罪悪感。


不意に視線を逸らした俺の服を、掴む咲に気づいた。















「星になら、ひどくされてもいいよ。
星にもっと、深く愛されたいーー」







その意味を理解したら、なんだか気恥ずかしい。

「いいの?

怖くない?

もう、泣かせたくないんだけど……」


泣かせたくない。


辛い思い出になって欲しくない。

君と俺は、兄妹から恋人になるまで
色々合ったから………。


これ以上、傷を増やして欲しくない。


「泣かないよ。
愛されて泣く時は、嬉しい時だよ。

星、愛してるーーー」



「………愛してる、咲」



君に、優しく口づけをしてお姫様だっこした。


向かった部屋は、俺の部屋。


ドキドキの甘い夜が今、始まる。


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