****秘密のお姫様****
「何って面白いから?」


冬が、ニヤリ、と笑う。

意地悪な笑顔に内心、いらっとする。

「オバケ屋敷の定番と言えば……きゃー千さん怖いって、咲ちゃんが抱き付く。
これ、お決まり!!

さあ、咲ちゃん。
怖かったら抱き付いて来ていいんだよ‼」


わざとらしいジェスチャーに演技に、ムカムカは止まらない。

バシッーーー。


迷わず、千の頭を殴った。

涙目の千。

「星の乱暴者。

痛いよ。咲ちゃん助けてっ」

どさくさに紛れ、咲に抱き付く千を引き離そうとした時ーーー。



ペタペタ、と歩く足音。


「何?」


咲が、怯えてる。


"わたしの目、知らない?""ーー。


長い黒髪の少女は振り向いた。


ポロリ,と外れた眼球。


怪しく笑う。


!!!!!!!


「「「「「「ぎゃーーー!!??!」」」」」」


一目散に逃げていく。


怖すぎだよ、マジで。

「やぁ、星怖いっ」

涙目の咲。

ガタガタ震える咲。


途中、次から次からオバケが襲いかかる。


まあ、本気にはならないけど。


ならない筈だったんだけどーーーーー


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