秘書課恋愛白書
トレーに乗せて熱々の出来立てパスタを持って空いてるテーブル席へと腰を下ろす。
んー、いい匂い!美味しそう!
だが、浮かれていて朝の出来事を忘れていたのだ。
(あの人じゃないか?社長の新しい秘書って…)
(聞いたきいた。ウチの社員じゃないんだろ?)
(どうやってあの社長に取り入ったのか…)
(もって1ヶ月とかかもね)
ヒソヒソと周りの会話が聞こえてくる。
……仕事が早く終わって浮かれた私のバカ。
なんで忘れてたのよ。
でも社員食堂使ってみたかったのよね…
ランチの魅力に勝てなかったあまり、こればっかりは仕方ないと気にしないで食べることに集中することにした。
すると、目の前にヘルシーなうどんの入ったトレーが置かれてパッと顔を上げる。
「ここ、いいですか?」
「どうぞ……」
首から社員証をぶらさげた、パンツスーツの綺麗な女の人が目の前に立っていた。
他にも席はたくさんあるのに、まさかこんな状況で私の前に座ってくるとは…ある意味強者。