秘書課恋愛白書
そうなんだ、まだまだ会社について勉強不足なところがいっぱいあるみたい。
たしかに社長はけっこう頭が切れると思う。
性格以外は本当に良いところしかないんだけどなぁ。
なんて考えてると、ご飯を食べ終えた飯島さんはテーブルに頬杖をついて何やらニコニコと私を見つめる。
「?なにか」
「んーん、中原さんはなんで社長の秘書辞めたくならないのかなーって」
だって、あの社長にずっとついてるんでしょ?と。
「そうですね……たしかに第一印象は最悪で絶対この人の秘書になんかならないし、こんなところすぐ辞めてやろうと思ってたんですけど、辞めに辞めれない事情もありまして」
脅されて、自分の会社を人質に取られてるなんて言えない。
あははは、と笑って誤魔化す私に飯島さんはさらに突っ込む。
「だったとしても、この2週間過ぎるまでに色々辞めたくなるようなことあったでしょ?それでも続けてるって、やっぱり…社長のことが好きとか?」