秘書課恋愛白書

めんどくさい…と渋々椅子から降りる彼。

バチッと目が合って「またね」と言った。


いやいや、もう会わないですよ。

ここにも次の仕事が落ち着くまでしばらく来れなさそうだし。

はは…っと口元を引きつらせて苦笑いを浮かべる私を他所に彼らは早々にBARを出て行った。


風のように去って行った二人の背中を見届けて、短く溜息を吐いた。

なんか…とんでもないのに絡んでしまった。



「なんか…芸能人みたいな人たちでしたね」

「そうだね。二人ともそこそこ顔が良いからね」


そう言ってテーブルにあった彼のグラス類を片付け始める。

気づけば時刻は23時半。



「ヤバイ!電車!」

「もうこんな時間か…アヤメちゃんが来ると時間経つのが早く感じるよ。気をつけて帰ってね」

「ありがとうございます」



終電が近づいてきたのでぐっとグラスに残っていたお酒を飲み干し、私もBARを後にした。

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