秘書課恋愛白書
「えっ?!!」
「社長、顔だけは本当にカッコイイもんね。一生に一度出会えるかのレベルの美形だもん。隣にいたら好きになっちゃうよねえ」
「いやいやいやいや。飯島さん何を仰ってるのかわかりません」
私、社長のこと好きなんて言ってないし勝手に話を進めないでほしい。
物思いに耽る飯島さんに必死で首を振ってみせる。
「違うの?ここで働く女性社員はみんな社長に近づこうと必死なのにさすがは秘書さん、余裕があるのね」
「ストップストップ!私と社長は本当に上司と部下の関係だけなんです!!そんな誤解を招くような言い方…」
私たちの席の周りに座ってる女性社員たちがどれほど聞き耳を立ててると思ってるんだ。
にやにやと意地悪な笑みを浮かべて私にほんとにー?と聞く飯島さんは楽しそう。
「本当です!そんなこと言ったら飯島さんだって社長のことお好きなんですか?」
「私は社長のこと人として尊敬してるだけ。それに旦那さんいるよん」
じゃーん、とキラキラのダイヤが散りばめられた結婚指輪を私の目の前に見せびらかす。
すごい、ダイヤの輝きが眩しい。