秘書課恋愛白書

「ま、中原さんが社長にオチるのも時間の問題だと思う!絵本から飛び出して来たような王子様みたいなルックスでお金持ち。まさに女の子の憧れを全部持って現れた現代の王子様」

「飯島さんのその表現には定評があるんでしょうが、私そんなに夢見れるほど気持ちも若くもないんですよ」


27歳で彼氏がいるわけでもない私みたいな地味女が王子様を求める夢見がちな乙女は正直キツイ。

あははは、とお互い乾いた笑いを溢す。


「でも社長ってあんなにカッコイイのにあんまりメディアに出たがらないんだよね」

「そうなんですか?」


そういえば先週も経営者を取り上げた雑誌の取材の申し込み電話がきてた気がするけど速攻で断るように言われたような。

そういうの意外と苦手なのかな。


「だからまだ社長を狙うのが社内とごく僅かの社長自身を知っている女性だけってこと!でもメディアにでも出たら芸能人並みにモテちゃうから私たちの社長が取られるのは嫌!」

「そうですね、女性関係は…もう今のだけで十分お腹いっぱいです」

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