秘書課恋愛白書
ワナワナと震えて声も出てこない私に飯島さんは話を続ける。
「っていうのもあれだけど、秘書の子が続かないのよ。喜んで秘書になったところで勝手に社長を好きになって勝手に傷ついて辞めます、とか」
手出す社長も悪いがそれ以上に勝手に恋愛始めて終わらせる私情を挟んで仕事してたその子たちも悪い、と自分の思うことをハッキリと言う。
そうやって思われないため、勘違いして好きにならないためにも私の会社はちゃんと規定としてあの3箇条目が存在してるのだ。
「だから私は中原さんに興味を持ってこうやって話をきいてみたくなったの。大丈夫?社長にいじめられてない?」
「私は…大丈、夫です」
「それは良かった」
私もセクハラされてるんです!!
なーんてここまで言われて言えるわけがなかろう。
ピクピクと口元が引き攣った。
「でも社長って昔はそんな感じじゃなかった、って辞めた先輩が言ってた。しかも、聞くところによるとすごく一途でずっと好きな人がいたんだって」