秘書課恋愛白書
社長、疲れて寝てるのかな。
単純にそう思っただけだった。
この後扉を開けて中の光景に後悔することになるとも知らず。
「しゃちょ……う?…………っ」
少しだけ開いて中の様子を伺うと体が強張る。
社長専用フロアだというのに似つかわしくない6畳間のその部屋。
本当に仮眠を取るためだけ用意されたのであろう真っ白なベッドが1台だけ。
そこには二つの影が交ざりあってその光景に後退りした。
半裸で視界を覆われ社長の大きな手で口を塞がれ震えながらも甘い声を抑えきれず漏らす女性。
乱れたワイシャツにズボンのベルトを外し、前を開けた状態で獣のような目つきで女性に覆い被さる社長。
見てはいけないものを、また見てしまった。
社長が動くたびにうつ伏せで責められる女性は甘い声を吐き出した。
二人はこちらの様子には全く気づいていない。
とっくに昼休みは終わったというの絶頂の最中でその場の空気だけ妖しいものだった。