秘書課恋愛白書

こんな人に出迎えられたら安心する。

ホテルの顔となるのは一瞬にして理解した気がした。

それに、社長がこんなに信頼している人初めて見たかもしれない。



「館内をご案内します。参りましょう」


よろしくお願いします、と私も頭を下げて二人の後に続いた。


次々と案内されるホテル館内。

開放感溢れる全面ガラス張りの通路に、中庭に植え込まれたヤシの木や南国を思い出させる木々が生い茂ったエリア。

どちらかと言えば、モダンで和を連想させる京都にいながらもリゾートに浸れるとは…

その異空間な雰囲気にただただ圧倒されるばかり。


部屋も一つ一つ丁寧に作り込まれていて、どこからでも京都の雄大な景色を楽しめるのも魅力の一つだ。

階を重ねるごとに見える景色も変わってくる。

しかも、部屋によってはレイクビューが楽しめるのもポイントだと時枝さんは自慢げに話してた。



「社長、見るもの全てが凄いですね!」

「こういうの意外と好きなんだ?」

「嫌いな女性なんていないでしょう!」
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