秘書課恋愛白書
「お待たせいたしました。本日ご宿泊されるお部屋は最高クラスのものをご用意させていただきました」
重厚な造りとなった扉のカードキーを通せばピッと赤ランプが緑へと切り替わる。
カチャ…と音を立てて開かれた扉。
「わぁ……凄い」
一瞬にして世界が変わった気がした。
社長室と同じくらいあるその広々とした部屋に足を踏み入れる。
「なかなか良いじゃん」
これには社長も満足したご様子で顔が明るくなった。
部屋と外との隔たりが一切感じられないまさに開放感を重視した木目を基調とした造り。
クイーンサイズの天蓋ベッドに、奥を覗くと一面大理石で広めの円形の浴槽。
外に出ればなんと、個室のプールサイド。
テラスになったそこから見える景色に思わず息を呑む。
見るもの全てが新鮮で自分がお姫様にでもなったような気にさせられる。
これがいわゆる上級階級の楽しみなのか…と目を輝かせる私の横に社長が並んだ。
「どう?満足した?」