秘書課恋愛白書
「世の中、こういう楽しみ方があるなんて知りませんでした。ただただ凄いとしか言いようがなくて」
「そう。これから飽きるほど見れるよ」
まぁ…バルコニーもよくお似合いで。
飽きるほど見れる?と首を傾げる私に社長はそれ以上何も言わなくて、後ろから時枝さんが声を掛ける。
「ご満足いただけましたでしょうか」
「こんな部屋に泊まれるなんて夢見たいですね」
「喜んでいただけて光栄でございます。ね、社長」
「そうだね」
「ですが、本当にお二人一緒の部屋でよろしかったんですか?」
……………ん?
時枝さん、今なんとおっしゃりましたか?
私が時枝さんの方に振り返り、口を開こうとしたらいつの間には社長に背中から抱き込まれていて。
しかも社長の手によって口元は覆われていた。
「僕たちこういう関係だから、全然問題ないよ」
頭に何か触れる感触がした。