秘書課恋愛白書
私はいらないってこと?
じゃあなんで出張に同行しろなんて言ったわけ?
これ部屋の鍵ね、とポーンとベッドの上に1枚のカードキーが降ってきた。
それを受け取るのを確認して社長は私を置いて颯爽と部屋を出ていくのだった。
な、なんて自己中な……
私は秘書として同行するために行きたくもなかった出張に付いてきたのに。
仕事をしにきたのにそれをいらない?
本当に意味がわからない。
終いには観光でもしてくれば?だと?
「はぁー?!あー!もう!」
頭にきてその辺にあったクッションを扉に向かって投げつけた。
いいわよ。
お望み通り観光でもしてくるわ!
でもこの部屋になんか絶対に帰ってこないんだから!
絶対に絶対に部屋をもう一つ用意してもらう。
私の気も知らないで、本当にやりたい放題なんだから!
乱れた服を直し、観光に行く準備を始めるのだった。