秘書課恋愛白書
「社長…いたっ…!」
「お仕置きなんだから痛くて当たり前じゃん」
痛いぐらいに両腕を掴まれて万歳の体勢で拘束されてしまった。
いやいやいや。
たしかに時間守れなかったのは私かもしれませんけど、なんでこんなことでお仕置きなんてされなきゃいけないわけ?!
「それはちょっと違くないですか?!なんでお仕置きされるんでしょうか」
「ダメ部下の教育は上司がしなきゃいけないでしょ。もう約束破らない、って思うくらい僕がキミを教育する」
「ひっ…」
目が、本気で笑ってない。
心の底から怖いと感じた。
「しかも、けっこう飲んだでしょこれ。よくそんなんでアイツが返してくれたよ。綾女はわかってない、男なんて隙あれば狼に変わるんだ」
どちらかといえば元彼よりも今この状態の社長の方が狼なんじゃないかと思うが…
抵抗しようにも社長の腕に捕らわれて拘束された私。
身動きが取れなくなった体では意味をなさない。