秘書課恋愛白書

変なの…さっきまであんなにギラギラして追いつめて酷いことされてたのに。

優しい社長に違和感を覚えつつもその暖かさに胸に込み上げるものがあった。


「僕以外の男とこういうことしたらダメだからね」

「なんで…ぐすっ…社長にそんなこと、制限されなきゃ、ズズッ……いけないんです、か」

「最初に言ったでしょ。キミが秘書である限り、キミは僕のモノ。ハイ返事」

「…………。」

「返事しないと続けるよ」

「……はい」


急に耳元でドスの効いた声を出すものだから、ウンと返事せざるを得なかった。

返事をするとちゅ、と頬にキスをされ抱きしめられてた体が解放された。


……また、だ。

このまま最後まですると思ったけど、今回もしなかった。

ある意味私の方が焦らされてる?

説明のできない雰囲気にだんだん恥ずかしくなってきた。

してないのに、した後、みたいな。

とんでもないことを考える自分の頭を振って、赤くなっていく顔を誤魔化すようにベッドサイドの棚のティッシュに手を伸ばして鼻をかむ。
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