秘書課恋愛白書

「違います!!それに、誰とでもあんなこと出来る社長に、私がなびくとでもお思いですか?」

「妬いてるの?」

「…っなわけないでしょう!!」

「全部向こうが誘ってくるんだ。利害は一致してる」


しれっと言い返してきた。


この感情は多分…、いや決してヤキモチなんかじゃない。

社長自身の人として、どうかという問題。

確かにお互いの利害関係は一致しているのかもしれない。

でもだからって、社長は誰でもいいの?

正直まだ、社長がどんなことを考えてて、どんな気持ちなのか私にはわからなかった。

ぐっと、胸元のブラウスを握って俯く私に社長が口を開く。


「…何か言いたそうだね」

「私は…誰とでもあんなことできる社長が……嫌いです」

「そう。……じゃあキミとしかしない。って言ったら綾女はいいわけ?」

「え…」


なにそれ、どういう意味?


「答えてよ。そういうことでしょ?」
< 158 / 320 >

この作品をシェア

pagetop