秘書課恋愛白書
「違います!!それに、誰とでもあんなこと出来る社長に、私がなびくとでもお思いですか?」
「妬いてるの?」
「…っなわけないでしょう!!」
「全部向こうが誘ってくるんだ。利害は一致してる」
しれっと言い返してきた。
この感情は多分…、いや決してヤキモチなんかじゃない。
社長自身の人として、どうかという問題。
確かにお互いの利害関係は一致しているのかもしれない。
でもだからって、社長は誰でもいいの?
正直まだ、社長がどんなことを考えてて、どんな気持ちなのか私にはわからなかった。
ぐっと、胸元のブラウスを握って俯く私に社長が口を開く。
「…何か言いたそうだね」
「私は…誰とでもあんなことできる社長が……嫌いです」
「そう。……じゃあキミとしかしない。って言ったら綾女はいいわけ?」
「え…」
なにそれ、どういう意味?
「答えてよ。そういうことでしょ?」