秘書課恋愛白書
「バカにしないで!私はあなたと絶対にしない!」
「った…」
もやもやとした気持ちが溢れ出して胸を締め付けた。
頬を押さえて私を睨みつける社長。
だが御構い無しに私はまくし立てる。
「いいですか?私はただの仕事上の秘書です。プライベートまであなた様の面倒を見る気はさらさらございません!」
「………はっ」
「あと何を諦めてるのか知りませんが、たった一回の失恋ぐらいでそんないい加減なことしないで!」
私の言葉にぴたりと固まる社長。
そして見たこともないような冷ややかな視線を私に送る。
……地雷を踏んだかもしれない。
だがここで引き下がるわけにもいかない。
「キミに何がわかるんだ」
「私は社長じゃないんだからわかるわけないでしょ?!」
「……キミの気持ちはわかった。外出てくる」
ふいっと私から顔を背けるとそのまま扉の方へとスタスタと歩いて出て行った。
部屋から出ていくその背中を見つめていたら余計に苦しくなった。
………ついに、本音をぶちまけてしまった。
しかも気づけばヒートアップし過ぎて、社長相手にタメ語で話していた。