秘書課恋愛白書

でも、そういう風に思われるの恥ずかしい…かも。


「中原さんが社長の秘書になってからあの人大人しくなったし良い傾向だと思うよ」

「そうなんですか…?」


もしかして、褒められてる?

ちゃんと社長のことサポート出来てるってことかな?


「まぁあの性格だから敵も多いし女関係はだらしなくなるしで俺も困ってたんだよね」

「社長って昔からああなんですか…」

「んー昔はそうでもなかったんだけど、やっぱりその友人に失恋したのが引き金になったかも」

「…そんな気がしてました」


だってあの出張の日の夜も私は地雷を踏んだ。

失恋したからって、と社長を責めた。

でも失恋イコール貞操観念の失意は別物だと思うんだけどなぁ。



「中原さん、社長のこと嫌い?」

「嫌い……んー、好きかも嫌いかも正直わかりません。でも節操の無い社長のことは好きでは無いです」

「そういうハッキリしてるところに社長も惹かれたんだろうね」

「え…?」


デスクに頬杖をついてそんなことを言い出す室長を二度見する。

社長が私に惹かれてるってどういうこと?
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