秘書課恋愛白書

「うっそ…そんな偶然ある?」

「怖いくらいだった。いきなり現れるんだもん」

「そっか…でもユウがまだ綾女のことをねー…」


うーん、と二人して考え込む。


「でも凄い謝ってた。まだ完全に許したわけじゃないけど…」

「たしかにユウは最低なことしたと思うけど、綾女のこと大好きだったと思う。綾女がいいならやり直すのも一つじゃない?」

「私がいいなら…か」


ユウと再開したあの日は色々話して、ユウがしたことを許し切ってあの頃の気持ちがブワッと溢れてしまった自分がいたのも確かで。

でもそれはあの時偶然にも会ってしまったから芽生えたほんの一時的なものだった。

実際、今日の今日までユウから電話がかかってくるまでそんなの忘れてしまっていたぐらい。

社長のインパクトの方があまりにも強かった。


「ユウのこともあるんだけど…実は社長のことでも一つ問題というか気になることがあって…」
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