秘書課恋愛白書

「何?!もしかして社長と寝た?!」

「ちょっと!やめて!」


慌ててマリカの口を塞いでしっ、というポーズをすれば数回コクコクと首を縦に降る。

そんな大きな声で何を言い出すかと思えば…

寝てまではいないけど、その表現は誤解を生む。


「寝て、はいない。でも…何もなかったわけでも、ない」

「ヤダー何もないとか言いながら結局進展してるんじゃーん!羨ましい!」

「マリカみたいに経験豊富じゃないし、こういう自分が理解出来ないようなことになったことないからどうしようかなって…」


ユウと会った後の話をざっと話す。

最初はキャーキャー騒いでいたがだんだん顔が強張って話し終える頃には黙ってしまった。


「っていうことがありまして」

うーん、難しい。宮野社長ってそんな感じなんだ」


唸りながら難しい顔するマリカに苦笑いする。


「社長の過去にも問題があるのかもしれないけど、なんか…こう、悲しくなっちゃって」
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