秘書課恋愛白書

「怖いよね〜あんなに落ちないって意気込んでたのに気づいたら落とされてたのねー綾女さーん」

「おおおおお落ちてない!待って待って待って」


昼の三谷室長といい、なんだか今日は変な日だ。

心なしかそういう恋愛の話、好きとかそういう話ばっかりしてる気がする。

ブンブンと首を横に振って否定する私に終始ニヤニヤと口元の緩みが抑えきれない様子のマリカ。


「社長いるならユウとはもう無理付き合えないね」

「そう言う問題じゃないってば!ユウも社長も違うから!!」

「どうだかなぁ〜」



お酒が美味しくなりますな、と戯けてみせる。


もう…マリカったら。

違うって言ってるのに。


でも誰かに話して、少しだけ自分の気持ちに整理がついた気がする。

ユウのことは多分もう好きではない。

だから会ってちゃんと自分の気持ちをハッキリさせよう。

私は私であるけど、ユウと付き合ってた頃の私ではないんだから。


社長のことは……

正直、まだこの気持ちを好きだと思いたくない自分がいた。

いつかこの気持ちに名前をつけることが出来るのだろうか。

その後は他愛も無い話で盛り上がって、お酒で失敗した経験が頭を過ぎったので大人しく一次会で解散したのだった。



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