秘書課恋愛白書
社長の嫉妬
ー怜 sideー
「どうですか?中原さん。まだ続いてるんですか?」
「だったら何」
「いやー?怜にしては珍しいなぁと思いまして」
そう言ってクスクスと笑うのは、幼馴染ことたける。
「ここでする話じゃなくない?」
「別にもう彼女に未練があるようには見えなかったので」
そう言って人だかりの奥のステージでマイクを持って話す本日の主役に視線を移す。
ホテルの宴会場を貸し切ってのパーティーで僕らは人目に付きにくい壁際にいた。
今日は彼女の会社の創立記念60周年記念パーティー。
それと同時に彼女が社長としてグループのトップへとなるお披露目会。
久しぶりに見た彼女の姿…
だが、前ほど心苦しくないのが今の現状。
たけるが言うようにこないだまで未練がましく彼女を想っていた気持ちがスッとなくなった気がする。
時間が解決してくれたのだろうか。
それとも……