秘書課恋愛白書

「それより、僕らの幼馴染の姿が見当たらないんですが知りませんか?」

「知るわけないよ。こんな人の中から探すのもめんどくさい」


僕たちみたいな名家の企業のパーティーとなると各界の著名人や付き合いのある企業傘下など必然的に招待客も多くなるわけで会場は人で溢れている。

そんな中、もう2人の幼馴染を探すとなると大変。


「じゃあ怜は此処で待っててください。いいですが、逃げないでくださいよ」

「人聞き悪い」


こちらに振り返って念押される。

まるで僕がいつも勝手に居なくなるみたいな言い方するたけるにハイハイと適当に返事をして壁に背をつけた。


なぜこんなところにいるかというと、僕たちクラスになると挨拶の列や囲いが出来てしまうからだ。

実際今日は彼女のためのパーティーだからあんまりそういうことはしないでおきたいと思って僕とたけるは人目を避けた。

ただ単に僕からしてみたら面倒くさいっていうのも理由の一つだったが。
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