秘書課恋愛白書

すると、ステージだけを照らしていた照明は宴会場全体を明るくして目の前には彼女の姿が。

いきなり現れた彼女にビックリして固まっていると、僕を見るなり顔をパァと明るくして駆け寄ってきた。


「怜先輩!」

「明凛……」

「どこかなーって探してたんですよ?来てくれてなかったらどうしようかと思った」

「ちゃんと来るよ」


高校時代から好きだった彼女、明凛(アカリ)はそう言って眩しいくらいの綺麗な笑顔を僕に見せるのだった。

この眩しいくらいに輝く笑顔が好きだった。

それはきっと今も変わらない。


「怜先輩だけですか?みんなは?」

「たけるがさっきまでいたけど、2人を探しに行った。多分その辺にいるよ」

「もう…久しぶりにみんなで集まれると思ったのに」


ぷくっと頬を膨らませてプリプリ怒る姿も愛おしいと思う。

だが、それらを含め好きの種類が変わったのは自分でもわかっていた。

だから今なら素直に言える気がして、短く深呼吸して口を開いた。



「明凛、言うのが遅くなったけど…結婚おめでとう」

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