秘書課恋愛白書

「……怜先輩、なんかありました？」

「別に何もないけど……」

「嘘だ！何年一緒にいると思ってるんですか、もう１０年ですよ。さすがの私でも気づきますー」


だからって、明凛にこんな話するわけないだろ。

そう言おうと思って口を開いた瞬間。


「明凛さんにまで気づかれるとはね。怜はいま恋わずらいしてるんですよ」

「たける！！！」


横からいきなり現れたたけるによって晒された秘密に明凛が目をキラキラさせた。


「怜先輩、好きな人いるんですか？その話聞きたい！！」

「たける…ありもしない事をよくも…。明凛も乗らない」

「本当のことじゃないですか。いい加減認めたらどうですか」

「たける？」


ギロリと睨んでこれ以上喋るなと釘を刺す。

えー知りたい、と目を輝かせて僕とたけるを交互に見る明凛の顔をまともに見ることが出来なかった。


しつこい明凛を黙らせるのは大変だった。

残りの幼馴染２人が合流したことで話が一旦終わったのが救い。