秘書課恋愛白書
明凛の隣に並ぶ婚約者幼馴染…その姿を改めて見て、2人が結婚することに対してモヤモヤとした気持ちは一切なかった。
そんな自分にホッと安堵して久しぶりに集まった5人でホテルのラウンジへと移動して改めて2人の結婚祝いを12時を回るまで盛大にお祝いしたのだった。
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「まだ全然飲めますよね?ちょっと2人で飲みに行きませんか?」
パーティーが終わって解散する前、たけるに誘われてそのままRainへと向かった。
終電も終わった時間帯で車も人通りも少ない街中を走る車。
たけるお抱えの運転手が運転する車は乗り心地も良く睡魔に襲われるのを我慢しながら乗っていた。
カランカランとベルが鳴る音を耳にしながらBARへと足を踏み入れるとマスターがこちらに向かって手をあげる。
「レイちゃん、たけるくん。珍しいね2人揃ってくるなんて」
こんばんは、と挨拶していつもの定位置であるカウンターへと腰を下ろした。
深夜を回った店内に人影はなくお客は僕らだけらしい。
もう店仕舞いするかな、とマスターは外の看板をCLOSEにひっくり返すと僕たちの元へと戻ってきた。