秘書課恋愛白書
「大人って言ってもアヤメちゃんは大事なお客様だし女の子なんだよ?!もう来てくれなくなったら寂しいー」
「綾女、しばらくここ来てないの?」
「いや、先週友達連れて来たよ」
先週は…ああ、出張後の金曜日か。
心配しなくてもちゃんと来てるんじゃん。
……でも綾女の友人関係については知らない。
友達って、もしかしてこないだ出張の時に送って貰ってたあいつか?
「マスター、その友達って誰」
「アヤメちゃんとはまた雰囲気の違って可愛い子だったよ。珍しくカウンターじゃなくて2人でそっちの席行ったから詳しくはわかんないけど」
「ふーん」
なんだ、女友達か。
そう言って僕たちの座るカウンター席の後ろを指差すマスターと一緒に振り返った。
体を前に向き直す拍子にバチッとたけると視線が合う。
「………なんだよ」
「いやー?そこまで気になるなんてなんかあったのかなと思いまして?」
ニヤニヤとして頬杖をつくたけるはタチが悪い。