秘書課恋愛白書

別れてから5年も経つのに、まるであの頃に戻ったような雰囲気に戸惑いを隠せない。

そんな私に御構い無しで手を引いて前を歩くユウにただただ着いて行くのだった。




「なにこれ、美味しい!」

「気に入ってくれてよかった。絶対好きそうだなと思って」

「…そうなんだよね」


連れてこられたお店は駅から徒歩3分圏内のオシャレなレストラン。

夜景も楽しめるとあって、周りのお客さんは若い男女ばかり。

通された窓際の席、一際夜景が一望できるそこで美味しい食事とお酒を楽しめるとあってまんまと乗せられている私がいた。


黙々と食べる私をニコニコと終始笑顔で見つめてくるユウ。

……見られながら食べるのは落ち着かない。



「なんでしょうか…」

「いやー?相変わらず美味しそうに食べるなって。喜んでもらえて俺も嬉しいよ」


そんなに顔に出てたかな。

でも本当に美味しいから食べる手が止まらないのだ。
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