秘書課恋愛白書
沈黙が続いてそこから何を話していいかわからなくなってしまいただ食べる手を動かす。
そして沈黙を破ったのはユウの方だった。
「まぁ社長が男なのはわかってたけど…でもいざ本人の口から聞かされるとちょっと妬ける」
「ははっおかしい」
「本当だってば。綾女綺麗になったし、社長秘書なんて…モテるだろ」
「モテないわよ。ユウと別れてからも彼氏もいなかったし」
「マジ…?」
うん、と頷くとユウの顔がパァと明るくなった。
「そっか…そうなんだ」
「?うん。仕事してる時が一番楽しいから」
悲しそうにしていた顔が一変して口元に笑みがこぼれる。
「そういえば綾女は高校の奴と会ったりすることあんの?」
「マリカとはずっと連絡取って飲みに行ったりしてるよ」
ユウと違って友達は多くなかったから必然的にマリカしか連絡の取れる友人らしい友人がいないのだ。
「へぇーマリカ…懐かしいな。今度部活の仲良かった奴の結婚式にいくんだけど、今から同窓会みたいになりそうで楽しみ」
マリカともしばらく会ってないなぁ、と言って外を眺める。