秘書課恋愛白書
いたって真剣な表情で私を見つめるユウにドキッと胸が高鳴った。
やだ、やめてよ…そんな目で見つめないで。
「か、からかわないで!私たち……もうただの知り合いというか、終わった関係で…」
「終わらせたのは俺だし凄い勝手なこと言ってるって自分でもわかってるんだよ…」
お互い料理を食べる手を止める。
カチャンとフォークを置く音がやけに耳に響いた。
「綾女…こないだも言ったけど、もう一度俺とやり直してほしいんだ。もう絶対あんなことしないし大事にする。俺には綾女しかいないんだよ…」
泣きそうな顔して私の手に被さるように握ってきた。
そんな泣きそうな顔するなんて、本当にズルイ。
そしてそれに対してすぐに答えることの出来ない自分。
この人のことが大好きで仕方がなかった。
だから頭の隅にあった数年分の記憶が一気に蘇る。
告白してくれたのは確かユウの方。
日直が被ってたまたま放課後2人で居残り作業をしていた時だった。
クラスの中でも人気者で誰からも好かれていたユウが私のことを好きだと言った。
突然のことに驚いて教室を飛び出したっけな。