秘書課恋愛白書

「え…綾女、宮野社長とそういう…」

「そうだよ。綾女は今僕のモノだから。ま、キミにはもう関係のないことだけど」

「なっ…」


驚いた表情で開いた口が塞がらない様子のユウ。

開いた口が塞がらないのは私も同じ。

社長、私は誰のモノでもありません!

早く離して!



ジタバタして社長の腕から逃れようとするも動くたびに余計に締まっていく。

いくよ、と私の肩を抱いたまま歩いて来た方とは反対方向に向かって歩き始める社長にえ?と顔を上げた。



「え?え?なに?」


訳もわからずパニック状態の私を他所にズンズンと歩き始める社長に無理矢理連れて行かれる。

少し歩いた先には…灰田さんがいてニコニコと笑顔でこちらに手を振っていた。

見知った顔に安堵したのもつかの間、黒塗りの車に押し込められてそのまま車は発車したのだった。



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