秘書課恋愛白書

社長の居なくなったベッドで1人残された私。

いつかのデジャヴがすごい。

あの時は本気でご迷惑をおかけしてのここだったけど、今回とはわけが違う。


それにしても……

あの社長が真顔で私のことを抱きたいと言った。

それはつまり、最後までするって意味で間違いないよなぁ

ふと思い出して1人顔を赤らめる。

でも社長は私の嫌がることをしないと言って、前みたいに雰囲気に流されることもなかった。


私のこと…

本気で大事にしようって思ってくれてるってことだよね?


短く息を吐いて再びふかふかのベッドに沈み込めば、微かに香る社長の匂い。

香水なのか、それとも社長の匂いなのか。

布団を引き寄せれば、まるで社長に包み込まれているような気持ちになる。

この匂いは安心するしむしろ好きな方だ。


って、好き……好き?!

気づけば頭の中は社長のことでいっぱい。

社長の言葉に振り回されて、社長の行動に翻弄されている。

何を考えても社長の顔が浮かんでしまう。

その瞬間バクバクと跳ねる心臓。


ああ……本当に、落ちるまであと少しかもしれない。


次何かあればこのドキドキの正体に確信を持てるような気がした。
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