秘書課恋愛白書
社長の誓い
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とりあえず朝ご飯にしよう。
そう言って社長の愛車に乗って連れて来られたのは閑静な高級住宅街の一角にあるオシャレなレストラン。
なんでも宮野ホールディングスの傘下の企業が運営しているレストランのようで雑誌でも多々紹介されたことがあるらしい。
通されたテラス席は日当たりもよく、手入れされた花壇か並び、花が綺麗に咲いている。
まるで異国の地に来たような気分にさせられた。
「僕がいつも頼んでるものでいい?」
「大丈夫です」
いつも頼んでるもの?
そんな決まったメニューが存在するくらい社長は常連なのか。
でも普通に考えてこんなレストランならランチはともかく朝食なんてやってないよなぁ…
なんて思いながら花壇を眺めて過ごしたいると、私の反応に気づいたウェイターが教えてくれた。
「朝食サービスは宮野社長のみのご提供でございます」
「社長のみですか…」
だから、こんなに席数もあるのに私たちだけしかいないのか。
レベルの違いにへぇー…と驚いていると軽快な音が鳴り始めて社長がスマホを取り出した。
そして画面を見るなり少し顔を顰めて席を立った。