秘書課恋愛白書
長い長いキスを落とされて、どのくらいの時間が経っただろう。
トロトロに蕩けきった私の顔はきっととんでもないことになっているに違いない。
肩で息をして社長を見れば、目を細めて愛おしそうに私の頭を優しく撫でた。
「そんな顔されるとこのままアッチに連れ込みたくなるんだけど」
あっち?
顎で示す方向に何があったかな、と考えていると仮眠室のベッドが頭に浮かんで思わず頬を赤らめる。
「私の嫌なことはしないって言ったじゃないですか!」
「だからこうやってちゃんと意思確認してるじゃん」
「へ、変態!!」
ドンッと社長の胸元を押してやっとのことで降りることが出来た。
だが溶かされた体は腰に力が入らず、上手く立ってることが出来ない。
すぐにその場にへたり込んでしまった。
「冗談だよ。綾女とのハジメテは大事にしたい」
「〜〜…っ!」
ペロリと唇を舌舐めずりして、私を見下ろす。
そして散らばった書類を拾い上げていく社長にワナワナと震える私。
なんて顔してそんなこと言うんだ…
それに私はまだ社長とするなんて一言も言ってない!