秘書課恋愛白書

「そうです…三谷室長ですが…」


そういえば社長も灰田さんもみんな高校時代からの知り合いなんだっけ…?


「会社は早退しましょう。大丈夫、僕に任せてください」


そう言って微笑むと私の代わりに三谷室長へと連絡を取ってくれた。

何から何までお世話になりっぱなしだ。

本当に情けない。

電話をする灰田さんの横で私は黙って話を聞いていた。

すると、灰田さんが私の耳にスマホを当ててきた。


『中原さん、事情は聞いたよ。灰田社長のところにいるんだってね。宮野社長も相当焦っていたけど、そこにいるなら安心した。今日はもう家に帰ってゆっくりして』

「ご迷惑を、ぐすっ…おかけして、すみません…ずずっ」


電話越しに聞こえた三谷室長の優しい声に落ち着いた涙がまた溢れてしまった。

そう伝えてまた灰田さんに電話を代わると、二人で何か話した後電話を切ったようだった。


「これで会社は大丈夫っと。一人で帰るのも不安だと思って助っ人を呼んでおきました」

「え?」

助っ人って?
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