秘書課恋愛白書
誤解と告白
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「もう!そういう大事なことは先に言ってよね?!いきなり社長室に呼び出されるから何やらかしたか気が気でなかったわ…」
そう言って胸をなでおろすマリカにごめんごめんと謝る。
「ウチの社長と綾女が知り合いだったなんて思わなかったわー。職業柄わからなくもないけど」
「宮野社長繋がりで灰田さんと知り合って、今日もたまたま灰田さんに助けてもらってしまいました…」
「いやー…でも仕事人間で冷静沈着な綾女が会社を飛び出すぐらいの出来事なんだからさ。むしろ灰田社長に保護されて良かったよ」
「ごめんね…私のせいで仕事途中で投げ出しちゃったんだよね…」
そうだよね、マリカは普通に営業フロアで働いてるからいきなり社長室に呼ばれることなんてほぼないんだよなぁ。
しかも社長直々の命令とは言え、親友を送って帰れなんて社会人になってまでなんて恥ずかしい。
「ぜーんぜん!むしろ午後休最高!…なーんて綾女がこんな状態なのに不謹慎か」
午後休万歳と言って挙げた両手をサッと引っ込めた。