秘書課恋愛白書
「でも綾女だいぶ落ち着いた!よかったよかった」
「マリカの顔見たら安心しちゃった。ありがとう」
涙も止まり、啜っていた鼻水も落ち着いた。
濡らして温めたタオルで顔を押さえていると、酷かった顔もだいぶマシになったと思う。
申し訳なく俯く私の頭をポンポンとマリカが撫で、私のベッドへと腰掛けた。
「親友なんだから当たり前でしょ?」
ふふっと笑ってベッドに寝転がったマリカは私に問う。
「綾女は…宮野社長のことが好きになったんだね」
「あんなにオチないって言ってたのにね…ははっ」
気づけば堕ちるところまで落とされてた、なんて。
「綾女!私はユウのことがあったから、綾女がもう恋愛出来なくなったらどうしよう…とか思ったこともあったけど、こうやってまた人を好きになれたこと良かったと思うよ」
「そうなんだけど…でもあの状況じゃ…」
社長はあの女性と何をしていたのか。
考えれば考えるほど、胸が締め付けられる。