秘書課恋愛白書
社長のことが……好き。
私は社長のことが好きだから傷ついたんだ。
社長とちゃんと話さなきゃ…逃げてちゃダメだ。
「気づいたら好きになってたよ」
照れ笑いする私にマリカは良かったと微笑むのだった。
マリカが親友でよかった。
背中を押してくれる存在が近くにいて本当によかった。
明日ちゃんと、社長と話そう。
社長に好きだと伝えたい。
部屋の壁掛け時計を見上げれば、時刻は17時を回っていて、だんだんと部屋が暗くなってきた。
カーテンのレースから差し込む夕日が部屋をオレンジに染める。
そろそろ帰ろうかな、というマリカに泊まっていけば?と声を掛け用としたらピンポーンとインターホンが鳴った。
「なんだろう。代わりに出るね!綾女はゆっくりしてて」
「あっごめん。ありがとう」
ハイハーイと明るい声で玄関へと向かうマリカ。
ベッドルームを出て居間の奥、玄関へと繋がる廊下を駆ける音がした。