秘書課恋愛白書

社長のことが……好き。

私は社長のことが好きだから傷ついたんだ。

社長とちゃんと話さなきゃ…逃げてちゃダメだ。


「気づいたら好きになってたよ」


照れ笑いする私にマリカは良かったと微笑むのだった。

マリカが親友でよかった。

背中を押してくれる存在が近くにいて本当によかった。

明日ちゃんと、社長と話そう。

社長に好きだと伝えたい。


部屋の壁掛け時計を見上げれば、時刻は17時を回っていて、だんだんと部屋が暗くなってきた。

カーテンのレースから差し込む夕日が部屋をオレンジに染める。

そろそろ帰ろうかな、というマリカに泊まっていけば?と声を掛け用としたらピンポーンとインターホンが鳴った。


「なんだろう。代わりに出るね!綾女はゆっくりしてて」

「あっごめん。ありがとう」


ハイハーイと明るい声で玄関へと向かうマリカ。

ベッドルームを出て居間の奥、玄関へと繋がる廊下を駆ける音がした。
< 262 / 320 >

この作品をシェア

pagetop