秘書課恋愛白書
社長と×××
どれくらいの時間をそうしていただろうか。
お互い何も話さず時間だけが流れていく。
部屋の壁掛け時計がカチカチと規則正しく動く音だけが耳に聞こえる。
静寂を切り裂くように社長が口を開いた。
「綾女?」
「…はい」
「…さっきのあれは返事として受け取って良いってことだよね?」
「…っ。そ、ういうことに、なり、ます」
もしかして、私が落ち着くまでの間ずっとそのことについて考えていたのだろうか。
だとしたらちゃんと返答らしいものをしなかった私にも非がある。
思わず想いが溢れて言ってしまったようなところがあったわけで…
ドキドキ高鳴る心臓に緊張しながら私は社長を見上げた。
「社長…私も、貴方が好き、で…す……んっ!」
性急に社長の唇が私の唇に重なった。
触れるだけのキスから始まり、深さを増す。
「はっぁ…んぅ」
頭を固定され、顎を持ち上げられて開いた口から熱い舌が侵入してきて絡み取られた。
私の口内をぐるぐると動き回る。
その舌の動きに着いて行けず、どちらかのかわからない液が唇の端から溢れた。