秘書課恋愛白書
「社長であるけど、キミの前では怜でいたい」
「怜…」
初めて口にした社長の名前に心臓が思いっきり跳ねた。
名前を呼ぶだけでこんなにも愛しさが増すものなのか。
二人っきりの時は敬語もダメと言われてしまった。
慣れない名前呼びに戸惑いつつももう一度愛しい人の名前を口にする。
「…怜」
「よく出来ました」
「っ!!!」
ニヤリと口角を吊り上げた怜が動く。
しばらく使われていなかったソコはジンジンと痛み悲鳴をあげた。
痛みに耐える代わりに生理的な涙が視界を潤し頬を伝う。
「ごめん…でも、今からやめるのは無理。綾女を一刻も早く僕のモノにしたい」
私の涙を拭って自分の方へと引き寄せ、ぎゅっと頭を抱きしめられた。
私だって…やめて欲しくない。
社長に、怜にこのまま愛されたい。
そう願っているのだ。
「大丈夫だから…やめないで」