秘書課恋愛白書
「それに…あの人の首元に光るネックレスが、怜先輩の気持ちなのもすぐわかった!だから早く追いかけて?」
「明凛…でも…」
「いーから。大丈夫」
ほら行った行った、と僕の背中をぐいぐい押して入り口に追いやられる。
具合の悪いであろう明凛を一人残して行くのは気が引けたが…振り返ると、明凛は微笑んでいた。
……まさか好きだった彼女にこんなに背中を押されるなんて。
「ごめん。…明凛、ありがと」
キミを好きになれてよかった。
キミの話をそばで聞いてあげれる存在になれて僕は嬉しかった。
ポンポンと明凛の頭を撫でて僕は綾女を探すべく社長室を駆け出した。
これがことの一部始終。
どれだけ綾女を不安にさせたのかは計り知れない。
でもお互いにちゃんと話し合い、気持ちを確認し合えたことで綾女が手に入った。
僕を好きだという彼女が愛おしくて仕方がない。
僕を愛おしげに見つめる瞳も、僕の名前を呼ぶ声も、笑った顔も全部全部僕のモノ。