秘書課恋愛白書
社長が恋人


***


幸せだけど…少し卑猥な夢を見ていた気がする。

何度も何度も社長に…怜に抱かれて息が出来なくなる夢。

欲求不満なんだろうか。


『綾女…愛してる』

『私も…』


まるでドラマのような一部始終に酔いしれてる。

綺麗な顔が近づいてきて…

唇が触れて私は応えるように吸い付いた。

………ん?

でも感覚が妙にリアル。

ゆっくりと瞼を開くと、綺麗な鼻筋と形の良い唇が視界に舞い込んできた。


「ん……」

「おはよう眠り姫」

「…おは、よ…」


ふんわりと微笑んで私を見下ろす怜。

私がお姫様なら貴方は誰もが憧れる金髪青目の王子様。


どこまでが夢でどこまでが現実だったのか。

自分の妄想の爆発具合に居た堪れなくなり、布団に潜り込んで顔を隠した。


だがすぐにガバッと布団を剥がされて、私の裸が陽の下に晒された。


「やだ!恥ずかし…っ」

「昨日あんなにしたんだからもう隠す必要ないだろ?」

「そそそそういう問題じゃなくて〜」


必死に布団を引っ張って体を隠そうとする私に、意地でも返さないという表情を浮かべて対抗する怜。

昨日は昨日、今日は今日なのだ。


「綺麗だから見せてよ」


ちゅっと軽く唇にキスを落とされ、布団を掴んでいた手が一瞬にして力を奪われる。

スキあり、と言わんばかりに剥ぎ取られてしまった。
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