秘書課恋愛白書
「初めまして…!宮野社長の秘書をしております中原と申します。……えっと…」
「KANDACorporation代表取締役社長の神田 明凛です。やっと貴女に会えた!」
そう名乗って飛びっきりの笑顔を見せる彼女は、神田社長らしい。
噂の社長や灰田さんたちと仲の良い女性社長。
昨日の今日で顔を合わせることになるとは思わなくて少しタジタジの私。
やっと会えた…とはどういうことだろうか?
「明凛、もういいだろ」
「良くない!…怜先輩ちょっと…」
社長は自分の荷物をデスクに置いてまた出入り口の方へと戻り神田社長を扉の方へと促す。
しぶしぶその後ろを付いていく神田社長に、え?わざわざ挨拶するためだけに来たの?!と考える私。
だがその瞬間。
社長が社長室を出た途端、扉を思いっきり閉めて鍵をかける神田社長の姿がそこにはあった。
え、ええーーー!!!?
社長のこと締め出しちゃった、この人…
いきなりの出来事にその場から動けず目を見開く私とは打って変わってニコニコ笑顔のまま扉にもたれ掛かる神田社長。