秘書課恋愛白書
『コラ、明凛!?何してるんだよ!』
「怜先輩が意地悪だからこうするしかないじゃないですか!お願い!ちょっとだけだからー」
『……綾女に余計なこと言わないでよ』
「わかってますー」
ドンドンと扉を叩いて抗議する社長にこんな強気な姿勢を見せれる人がいたなんて…
ただただ驚いてそちらを見つめる私に、神田社長が座ってという。
入ることを諦めたのか、社長の足音が遠ざかっていく。
反対に、神田社長が私の方へと寄ってきて、応接のソファーへと座らせられた。
「驚かせてごめんなさいね。こうでもしなきゃ絶対話させてくれないと思って」
「い、いえ…あの社長にそんな強気な態度をとれる人がいることに驚きました」
思ったままの素直な感想を述べると、神田社長はケラケラ笑う。
「まぁこんな風に出来るのは確かに仲の良い私たちぐらいです」
「そうですよ…ね」
神田社長は少しだけ自分が思っていた感じと違った。
こんな風に笑ったりもするんだ。
「それにしても、似てる…けど、いうほどでもない気がする」
席に着くなりまじまじとわたしの顔を見つめる神田社長に腰が引けた。
確かにパーツは少し似ている気がするが…
いや、でもこんなに可愛い人と似てるなんて恐れ多い。
苦笑いを浮かべる私に、ねー?という神田社長。
「昨日はいきなりすみませんでした」
「いえ!誤解させたのはこっちで、中原さんは何も謝ることないです!」