秘書課恋愛白書
「存じ上げております。…ご結婚される、とか」
「そうなんです!…あ!せっかくなので怜先輩と一緒に中原さんもぜひ結婚式に来てくださいね」
「わぁー…いいんですか?ありがとうございます」
この人の花嫁姿はきっと素敵だと確信する。
しばらく学生の時の社長の話など、思い出話をしてくれた神田社長。
私の知らない出会う前の社長を想像したり、思いを馳せてみたりしていると、唐突に話が変わった。
「あとー……、中原さんはソレの意味をご存知ですか?」
ソレ、と言って私の胸元を指差してニヤニヤする神田社長に首を傾げる。
視線をたどって自分の胸元を見れば…ネックレス。
うわっ…!
神田社長もしかして、これ社長に貰ったものだって知ってるの?!
隠すようにワイシャツを正して赤らめる私にフフッと笑うのであった。
「あの怜先輩が女性にプレゼントなんて、初めてなんですよ?もっと自信を持ってください!」
「は、はぁ…でもなんで」
「それ、ウチの会社の傘下が経営してるジュエリー店の一点物なんですよ?」
そうだったの…?!
これ、そんなに良いものだったの?!
確かにオシャレで付けていた持っているネックレス類とは石の輝きも、シルバーの輝きも少し違うなとは思っていたけど…
やっぱり高価な物だったんだー!と血の気の引く私にストップをかける神田社長。