秘書課恋愛白書
そんな話をしていると…
『明凛ー。ダンナが迎えに来たけど』
ドンドンと扉を叩きこちらに話しかける社長の声が聞こえた。
「まだ旦那じゃないってば。あー残念。もっとお話したかったのにー」
「神田社長…ありがとうございました。私、正直社長に愛される自信なかったんです。でも今の話を聞けて本当に良かったです」
どれだけ社長が私のことを想っていてくれたのか、知ることが出来た。
社長は私自身を好きになってくれたんだ。
少しだけ顔が似た私たちだがただそれだけのこと。
お互い顔を見合わせて笑うと「次は結婚式で」と言って立ち上がった。
笑顔がとっても魅力的で、明るくて可愛いこの人は誰から見ても魅力的で、結婚式がとても楽しみになったのだった。
「はぁー…やっと帰った帰った。綾女に会わせろってうるさかったんだよ」
神田社長を見送った後。
自分の椅子に座って盛大に溜息を漏らす社長はやれやれといった表情をしてみせた。