秘書課恋愛白書

にやにやと笑みを隠しきれない私につられるように微笑むマスター。



「おめでとう。じゃあ乾杯しよう」

「わー嬉しい!ありがとうございます」



私情に踏み込んでくるわけでもなくかといって敬遠するわけでもなく程よい距離感で話せるマスターが大好き。

おまたせ、と言って差し出されたカクテル。

カウンターの照明に当たるとキラキラと輝き、ブルーとイエローがグラスの半分あたりで綺麗に境目を作っていた。



「今日はブルー系…?」

「綾女ちゃん好みの爽やかなフルーティー系で作ってみました」


気に入ってくれるといいけど、と笑って私のグラスにコツンと自分のグラスを押し当てた。


おつかれ私。

2年間よく頑張ったし、実績もあげれた。

また来週から始まる数年間を頑張ろう。



ぐいっと半分くらいを一気に飲み干したところで、じっとして動かない一個空けて座った隣の席の人間が気になり始めた。

酔い潰れているのだろうか。



「マスター、あの人大丈夫?」
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